①帯状疱疹とは
帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus(VZV))が原因となります。
このウイルスは2つの臨床病態として発現し、1つ目は初回感染時の水痘(みずぼうそう)です。顔や体幹、下肢に赤みや水疱が多数出現します。
2つ目が帯状疱疹です。水痘帯状疱疹ウイルスが感覚神経節などに潜んでおり、再活性化することで、発症します。片側性の神経支配に沿って、痛みのある水疱・発疹が出現します。
およそ3人に1人が生涯のうちに帯状疱疹に罹患すると言われています。帯状疱疹は命に関わることはめったにない病気ですが、発疹が改善した後も、帯状疱疹後神経痛(post-herpetic neuralgia(PHN))になることがあり、数カ月から数年にわたり痛みが続くことがあります。
帯状疱疹を発症しないこと、帯状疱疹となった場合にはできるだけ早く抗ウイルス薬を開始することが帯状疱疹後神経痛を起こさないために重要です。
②帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹のワクチンは2種類あります。
- 水痘ワクチン
いわゆるみずぼうそうのワクチンです。弱毒化したウイルスを接種する、生ワクチンです。
体内でウイルスが増殖し、抗体ができます。そのため、免疫抑制状態にある人は罹患してしまう危険性があり、接種できません。
- シングリックス®
生ワクチンではなく、乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンです。免疫抑制状態にある人も安全に接種できます。
ウイルス表面の一部のgE抗原を接種することで、帯状疱疹ウイルスの表面抗原に特異的なCD4陽性T細胞と抗体が誘導されます。
③帯状疱疹にかかったことがあるから、もうかからない??
帯状疱疹は再発する人がいます。報告によっては、5.3~6.4%の人が再発し、初回罹患から半年~20年と再発までの期間はさまざまです。
女性、50歳以上、1回目の帯状疱疹で帯状疱疹後神経痛が長く続いた人、免疫抑制状態にある人で再発リスクが高いと報告されています。
<参考文献>
J Korean Med Sci. 2019 Jan 14;34(2):e1
Open Forum Infect Dis. 2017 Jan 28;4(1):ofx007. doi: 10.1093/ofid/ofx007. eCollection 2017 Winter.
浜松市では 帯状疱疹ワクチン接種の助成を行っています。
詳しくは浜松市のホームページ(https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kenkozoshin/health/yobo/taijohoshin.html)をご参照ください。
2種類のワクチンがあり、効果、接種回数、自己負担額など違いがありますので、ご相談ください。